正月の雑記。
正月の帰省から戻って、急に成長したのか、とにかく、三歳を前にした娘がヤンチャで、可愛くて、娘の事ばかりだ。
ワリと聞き分けの良い長男に僕はずいぶん助けられていてるからなのだけど。
息子はもう六歳。
それでも今朝は軽くダダをこねるので、ほら、パパ昨日のウチに君のシャツ、アイロンしといたよ、ピカピカだろ?
というと喜んで袖を通してくれた。
ホントは、僕と妻が4日から仕事で、その罪悪感みたいな物だったのかも知れない。それで僕はアイロンなんて、普段掛けないのに。
今朝は娘を妻に任せ、息子だけを登園させるのが僕の仕事で、いつもの様に家を出る。
寒い。
風が冷たくて、凍える息子を覆う様に二人で横断歩道を走った。
段差に軽く躓く息子。
あっ、
と手を出そうとしたら、軽く飛び越えてしまった。
得意げな息子の頭に、よかった、と僕はその頭にポンと手を置いた。
手を置いて、
あれ、こんなに背、高かったっけ…。
先生に新年の挨拶をして、
僕は自転車を取りに行く。
こんな風に、きっと「あれ?」を繰り返してまた過ごしていくのだろう。
こんな風に。
あれ?と思いながら、
あの日の君を追い掛ける。
あの日、君はあの段差で何度も躓いた。
あの日、君はあの街灯が気になって仕方なくて、
あの日、君は僕のサドルに乗ってハシャいで、
いつも、君は僕の手を握って。
その手はいつも小さく、柔らかく。
ほんの少し目を離せば、
もう二度と会えない君がいる。
少しセンチメンタル過ぎるだろうか。
でもね、分かっていても、
目を離してしまうんだよ。
そして、君はだんだん僕の手を
離れ、大人になって行く。
もうすぐ終わる。毎朝の、
当たり前の、慌ただしい出発。
それでもそれ程変わらない街並みは、
僕達の全てを覚えていてくれるようで、
きっと春になれば、
息子の通わなくなった保育園の前を通る度、僕は何度も、何度もそこから思い出を引き出してしまいそうだ。
もしそれで僕が急に泣き出したら、
君に笑い飛ばして欲しい。