毒親の誕生
息子の同級生の女の子のお母さん、
女の子二人育ててるのですが上の子と全く合わなくて露骨に差別してしまうとか。
なんとなく、分かる。僕は息子が可愛くて仕方ない反面、苛立って仕方ない事が多々ある。娘にはない。
息子のダラりとしたマイペース加減や、いつまでもおふざけを続けたり、稚拙な理屈っぽさ。タイミング次第では本気でイラっとしてしまう。
娘に対しては、ない。
「二人目、男の子と女の子、どっちがいい?」妻に聞かれて僕は男の子と答えた。
女の子はなんだかメンドくさそうだし。単純にそう思ってたので、
娘が産まれて僕はその可愛らしさに感動した。その結果子供らがいる前でつい友人などにも、女の子がこんなに可愛いと思わなかった。
と言ってしまっている。
対して、息子には苛立つ事は多い。
それはやはり、僕に似てるからだろう。嫌な部分を直そうとしてるのに生き写しみたいにその部分を実践して見せる息子にイライラしないワケはない。
が、娘には当然、ない。
僕はきっと、
上手く二人を平等に愛せてないのかも知れない。
でも愛してる。
全く分け隔てなく。もう君たちが居ない人生はもう考えられない。
愛してるのに込み上げる息子への苛立ちは、きっと自分自身を愛せない僕の中にある。
僕は僕自身を肯定しなければいけないのだ。
今の僕が毒親だとしても、
僕はよじれたこの愛情を息子にまっすぐ届けたいと願う。
息子の同級生のお母さんも、きっとそうだろう。二人の娘、その長女、自身に似れば似るほど腹が立つだろう。でも、ホントにそんな悪い子だろうか?
先日その子も一緒に公園で遊んだが、持っていた手帳に僕の名前を書いてくれたり、慣れたら平気で甘えてくる。その様子は息子や他の子と何一つ変わらない純真な普通の子供だ。
子供がおかしいワケがない。
親がおかしいワケじゃない。
産まれ宿る魂の因果と言っていいかも知れない。単に二人の関係なんだろう。
あの日、
息子が産まれたばかりで、まだ困惑する僕の腕にうっすら目を開ける息子がスッポリと入っていて、妻が風呂を出るのをソファで待っていた。
小さな指が僕の小指に絡んで、
なぜか涙が滲み、
そのか弱いチカラにポソリと言った。
ずっと君の味方だよ。何があっても。
これから沢山、互いに誤解に誤解を招いて、大人になった君は僕と対等になり、それでもし、僕らの心が離れ離れになったとしても、
そこだけはアンフェアでいい。
僕はずっと、君の味方だ。
例え、信じてもらえなくても。
僕は君の味方だ。