40代管理職、父になる。

6歳男児.2歳女児、共働きの父。趣味は自転車。

初めてのオツカイ。

御近所のママが小2の息子さんのお遣いトレーニングでスーパーへ行かせるのでモッサンのお子さんもご一緒にどうですか?と。

 

妻が快諾、僕は少し不安だけれど、

まぁ小2のお兄ちゃんと手を繋いでなら大丈夫かなと。

 

しばらくして小2のお兄ちゃんが迎えに来てくれたので、皆で見送る。

「行ってきまーす!」と手を繋いで歩く二人はなんだか可愛いけれど、父、

 

早々、尾行開始。

 

よしよし、信号は守ってるな…と物陰から見守る僕の背後から「モッサーン、話は聞いたで〜笑」と、クリエイターを生業とする御近所さんが自転車で登場。あ、じゃあ、様子見で二人に声掛けてあげて下さい、きっと安心すると思いますよ〜と。

ニヤニヤしながら彼が子供らに話し掛けてくれて、安心したのも束の間、

幹線道路を横断中、信号が点滅。分離帯で止まるかと思ったら、二人は顔を見合わせたと思うと全力ダッシュ

 

おいーーっ!

 

そして僕だけ信号で取り残されつつも、

どうにかスーパーで追いつく。

二人の課題は「指定されたオヤツを買う」。オモチャ付きのお菓子を買う小遣いは待たされてないし、今日はダメだと言っていたのに、

 

案の定、二人でスーパーヒーローシリーズの棚に突撃笑。

 

笑いを堪えながら影から様子見してると、「たこ焼きスナックあった!」と目標の品を発見。

すぐレジへ向かうかと思ったら、それからの二人のウィンドウショッピングが長い、長いわ笑。

盗撮しつつ状況をライン版に投稿。いつ不審者と判断されてもおかしくないな…と思ってると、二人はレジへ。

大人の中に並ぶ二人の背中は、目を凝らさないと見失いそうで、

頼りなくて切なくて、レジでまごつく彼らに思わず僕は飛び出しそうで、

側から見たら不審者度120%だと思う。

 

お兄ちゃんの手引きで無事レジを終えた息子、店を出る前のガチャガチャゾーンで足止め。二人してあーでもないこーでもない、とやっていると、見知らぬ30代くらいの女性が「どしたん?お金落とした?」と話し掛けてくれた模様で、よく見りゃアイツら、ガチャガチャしたさで小銭落ちてるのを探してた模様。

さすがに恥ずかしかったのか、大丈夫でーす、と返し、なんだか仲よさそうに女性と別れ、

その後、遊びながらもずっと手を離す事なく、二人は帰宅。

 

僕は、

お兄ちゃんの顔を見るなり、おう、スゲーな、ありがとうな、よく面倒見ながら行ってくれたね、と彼を褒め、

そして我が子も褒め称えた。

 

信号点滅で走った事が気になっていたけれど、あれは多分僕のマネだ。

「いいかい?大人は良くても君達はやっちゃダメだよ?」

って言葉が何の信用性も信憑性も持たないのは当たり前で、相手が子供でも「は?」以外の感想を持たないのは当然というワケだ。

 

日頃の自分を恥じながら、

それでもきっと彼らは「自由」のなんたるかを知ったのだと思う。

 

自由には責任がつきまとう。

それは二人が繋いで離さなかった、その手その物だ。

それでもその中で、

二人だけで動く、不安、高揚、解放感。

きっと、彼らは楽しかったと思う。

 

無事帰ってきた二人、僕は信号の事は勿論、付いて行った事も言わなかった。

 

危険に対する指導はまた後日やれば良い。それよりも、

 

彼らが生きる事の価値に、喜びに、

こんなに沢山、思うよりも沢山、側に転がってる事に気づいてくれたらと思う。それはね、

 

何も持たずに生きてきた父さんを、

それでも前に、前に進ませてきた力なんだよ。

 

どうか、当たり前の幸福が当たり前に彼らに与えられますように。

 

いつか、箸を握るのもやっとの短い指を絡めあい不安と戦って、

そこに見つけた世界が広く輝いていた事が、彼らの背中を後押ししますようにと、

 

願わずにいられなかった。

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