40代管理職、父になる。

6歳男児.2歳女児、共働きの父。趣味は自転車。

勉強を嫌いにさせない。

アニメが観たいという息子に、妻が「明日の用意とひらがなワーク終わってから!」と叱ると、

息子がメンドくさいと漏らした。

 

勉強をこの歳にしてメンドくさいと思うのはマズイと思い、僕はスグに息子の隣へ行って一緒にワークをやる事にした。まず僕は、終わってるページの量と「あいうえお」の練習を終え次の名詞などの単語を練習している事に驚いてみせる。

すると息子は少し得意になって、

「パパ、それとね「は」と「ほ」は似てるんだよ」とワークの空いてる所に書いて教えてくれた。

そうだねぇ、よく気がついたね。

 

僕は教育者としてなんの実績もなければ人に自慢出来ない学歴しかないので、何が正解か分からないけれど

「発見出来るスキル」とその喜びは、生きる上で大きな力に繋がると信じている。

 

だから僕は子供らに、君たちの発見を教えて欲しい、と言っていて、その発見を大切にしてあげたいと考えているのだけれど、

 

ひらがなワーク中に突然息子が

「ようふく」と書く際「2、2、4、1!」と叫び「かばん」と書く際は「3、5、1!」というので何事かと思ったら、

毎回、ひらがなの画数を言い当ててから書いてる事に気付いた。

 

ええっ?!マジか?!そんな発想あり?!と正直驚いたし親バカにも「天才かよ…」と呟いてしまった。

マイクタイソンのナンバーシステムみたいでなんかカッコいいし。

で、

自分でちょっとやってみたけど、

まずひらがなの画数が瞬時に出てこない。

これはひらがなを練習してる段階だから可能なのだろうか、と軽く敗北感を感じつつも、

 

もしかして彼の中では、

五十音順の他に画数というグルーピングでひらがなを管理してるのではないか、と考えると、これは中々面白い。

スポ根マンガで有りがちな、冴えない主人公の隠れた才能を発見してしまったライバルの「…ナンだとっ、コイツこの距離を一瞬で?!」みたいな感覚を味わいつつ、

書取りを続ける息子を見守る。

課題の最後の方で「ちゃわん」という単語が出てきた。

僕は、小さい「ゃ」があるね、コレは難しいぞ、大丈夫?と聞くと、

「大丈夫、出来るよ」と真剣な面持ちで取り組む。

ん?「や」の書き順おかしくないか?と気付き、次の「やかん」でも同じ書き順だったので訂正すると「え、合ってるよ」と息子。

うそ?とひらがなワークの最初の方、

「ひらがなのかきじゅん」を確認。

そう「や」は「つ」を書いて短い方、長い方と書くのが正解で、僕はずっと長い方を先に書いていたのだった。

 

…6歳児にひらがなのかきじゅんを訂正される父親…

 

「わーい、パパおばかー笑」と息子に冷やかされ、んー、パパは勉強嫌いだったからなぁ、と言うと、

「なんで嫌いだったの?あそんだり、うんどうが好きだったの?」というので優しいなぁ、と思いながら、

パパはね、勉強の楽しさが分からなかったんだよ。君はどうだい?勉強楽しい?

と聞くと、

「うん、楽しいよ」

と答えてくれた。

 

…これにて「勉強を嫌いにさせない」ミッション達成である。引き換えに父親の威厳を失ったとしても構わない…

 

妻が「え、どうしたん、えらい疲れてるやん笑」というので、

 

あぁ…満身創痍だ…と返し、

教育の難しさを痛感するのである。